ボールペンをうっかり服と一緒に洗濯してしまうと
「インクは落ちるの？」
「服はもうダメ？」
と不安になりますよね。
結論から言うと
水性インクなら落ちる可能性が高く
油性インクは早く気づけば落とせることもあるが
乾くと一気に落ちにくくなる
というのが答えです。
そして、完全に乾く前に対処することが最も重要です。
この記事では
ボールペンを洗ってしまったときの対処法だけでなく
なぜインクが落ちにくいのか
落ちやすい汚れ・落ちにくい汚れの見分け方
そして
そもそもボールペンを洗濯に入れないための予防策まで
わかりやすく解説しています。
まず最初にやること
洗濯機の停止後に確認するポイント
ボールペンを入れたまま
洗濯してしまったことに気づいたとき
多くの人が慌ててしまいます。
しかし、
最初に落ち着いて状況を確認することが
あとで衣類を少しでもきれいに戻すための
大きなポイントになります。
洗濯が終わってしまっていた場合は
まず、洗濯機のフタを開け
衣類にインクが付いているかどうかを
丁寧に確認しましょう。
また、洗濯槽の底や側面に
インクが飛び散っていないかを
観察することも大切です。
洗濯槽にインクが残っていると
次の洗濯で別の衣類に移ってしまう可能性があるため
必ず丁寧にチェックしておきましょう。
さらに、洗濯されていたボールペン本体が
残っている場合は取り出して様子を見ます。
ペンを触ると手にもインクがついてしまうので
キッチンペーパーやティッシュを使って
慎重に扱うとよいでしょう。
これらの作業は、時間がたつほど
インクが乾いて繊維に深く入り込んでしまうため
気づいたらできるだけ早めに行うことがとても重要です。
インクが衣類に広がっているかのチェック方法
衣類にボールペンのインクが
広がっているかどうかを確認する際は
ただ表面を見るだけでなく
裏側まで丁寧に確認することが大切です。
インクは布の繊維を通って
裏側まで染みこむことが多いため
見た目以上に広がっていることが珍しくありません。
特に薄手のシャツや白いTシャツ、ワイシャツなどは
インクが線のように細く伸びていることがあり
光の角度によっては見えづらいこともあります。
また、濡れている状態だと
インクの境界線がぼやけて見えるため
汚れが広がっているか判断しづらくなります。
少し布を引っ張ってみると
色が広がっている部分が見えやすくなるため
丁寧に確認するとよいでしょう。
さらに、洗濯ネットに入れていた場合は
ネット自体にインクが付着していないかも
チェックしておきます。
ネットに付いていると、次の洗濯で
別の衣類に汚れが移る可能性があります。
また、タオルなど厚手の生地は
表面から見ただけでは判断しづらい場合があるため
手で押してみて
内部にインクが残っていないか
確かめることも役立ちます。
こういった確認作業を丁寧に行うことで
どの衣類を重点的にケアすべきか把握でき
後の作業がスムーズになります。
乾燥前に必ずやるべき理由
ボールペンのインクがついた衣類は
絶対に乾燥機にかけてはいけません。
乾燥機の高温によりインクの成分が
繊維の奥に焼きつくように定着してしまい
あとから落とそうとしても
ほとんど取れなくなってしまうからです。
インクは熱に弱いものもありますが
多くの場合、熱を加えることで逆に色素が固着し
汚れが「変色」や「色沈着」のように
残ってしまうことがあります。
洗濯後に気づいた場合も
衣類がまだ湿っている状態であれば
完全にインクが定着していないことが多く
適切な方法で対処すれば
汚れを薄くできる可能性が十分あります。
だからこそ、乾燥前の
早い段階で気づくことが重要なのです。
また、部屋干しや自然乾燥で
乾いてしまうことにも注意が必要です。
乾燥後はインクが空気に触れる時間が長くなり
酸化し、さらに落ちにくくなります。
できるだけ早く汚れた部分を別にして
というだけで結果に大きな差が生まれます。
乾燥前に気づいた場合は
すぐに応急処置のステップを踏むことで
後の洗浄工程が楽になり
衣類をよりいい状態で戻せる可能性が高くなるでしょう。
汚れた衣類を分けておく際の注意点
ボールペンのインクがついた衣類を
他の衣類と一緒に置いてしまうと
湿っている状態では
インクがほかの布に移る可能性があります。
そのため、汚れた衣類は
必ずほかのものと分けておいてください。
また、インクがついた部分が
他の布に触れないように
ティッシュやキッチンペーパーを
敷いておくと良いでしょう。
特に濡れたまま重ねてしまうと
インクが広がりやすく、最初より
汚れが大きくなることもあるため注意が必要です。
また、洗濯カゴの中に戻すことも避けます。
洗濯カゴに繊維やほこりが多い場合
インクと混ざってさらなる汚れになることがあります。
さらに、置き場所も
直射日光の当たる場所は避けることが重要です。
光や熱が加わるとインクが乾燥してしまい
汚れが落としづらくなってしまうことがあります。
布を平らに広げ、汚れた部分が
外側になるように置いておくと
後からどの部分を処理すべきか
分かりやすいだけでなく
インクの移りを防ぐことにもつながります。
やってはいけないNG行動
ボールペンを洗濯してしまったとき、多くの人が
「とにかくもう一回洗えば落ちるのでは？」
と思いがちですが
これは実は避けたい行動のひとつです。
理由は、
インクが一度水に触れて広がった状態で再び洗うと
繊維の奥までインクが押し込まれ
汚れがさらに落ちにくくなる可能性が高いからです。
また、インクが衣類から
完全に取れていない状態なのに
複数の衣類をまとめて洗ってしまうと
他の衣類に色移りしてしまうリスクがあります。
特に白い衣類や薄い色の服は影響を受けやすいので
再洗濯は絶対に避けるべき行動の一つです。
さらに、インクがついた部分を
強くこすってしまうのもNGです。
こすり洗いをすると
一見汚れが薄くなったように感じるかもしれませんが
実際にはインクが繊維の奥へと広がってしまい
後から落とすことが難しくなってしまいます。
また、アルコール系の溶剤を
いきなり大量に使うのもおすすめできません。
インクの種類によっては反応が強すぎて
生地を傷める場合があるからです。
特にデリケートな素材は注意が必要です。
衣類についたボールペン汚れの落とし方
家にあるものでできるインク汚れ対処法
家庭にあるものだけでも
ボールペンのインク汚れをある程度
薄くすることはできます。
特に身近なもので活用しやすいのが
中性洗剤やハンドソープ、そして少量のぬるま湯です。
まず、インクの部分にキッチンペーパーを当てて
上からトントンと叩くようにして
余分なインクを吸い取ります。
このとき、広げないように注意しながら
優しく行うのがポイントです。
インクがペーパーに移ったのを確認できたら
次に中性洗剤を少量つけて指先で軽くもみ洗いします。
激しくこすると汚れが広がる可能性があるため
あくまで優しく、ゆっくりと作業を進めることが大切です。
もし家に無水エタノールや
消毒用アルコールがある場合は
少しずつ使って
インクを溶かしながら取り除く方法もあります。
ただし、素材によっては
色が変わってしまう場合もあるので
目立たない部分で試すことが重要です。
丁寧に、少しずつ
インクを浮かせていくように作業すれば
元の状態に近づける可能性が高まります。
綿・ポリエステルなど一般的な素材の落としやすさ
綿やポリエステルは衣類の中でも
よく使われている素材で
比較的しっかりした繊維構造を持っています。
そのため、インク汚れを落とす際も
ある程度の摩擦に耐えられるうえ
液体洗剤との相性も良い素材が多いのが特徴です。
まず綿素材の場合は
水分をよく吸う性質があるため
インクが繊維に入り込みやすい反面
適切な溶剤を使用すれば
汚れを浮かせられる可能性があります。
中性洗剤や液体せっけんを使って
もみ洗いする方法が効果的です。
一方、ポリエステルは
水を吸いにくい性質があるため
逆にインクが表面に残りやすい傾向があります。
つまり、表面についた汚れを
丁寧に浮かせるように処理すれば
意外と落としやすい素材と言えます。
ただし、ポリエステルは熱に弱いため
熱湯を使ったり乾燥機の高温を当てると
変形する可能性があります。
いずれの素材も
インクの種類や時間の経過によって
落ちやすさは変わりますが
基本の処理を正しく行えば
ある程度改善が期待できます。
デニムに付いた場合の注意点
デニムは厚手でしっかりした素材ですが
インクが付いた場合は実は落としにくい素材でもあります。
理由は、デニム生地が織り目の深い構造をしているため
インクが入り込むと繊維の奥にしみ込んでしまい
表面だけを処理しても改善が見えにくいからです。
また、デニムは色落ちしやすい特徴があるため
強い溶剤を使うと生地の色が薄くなる場合があります。
特に濃紺のデニムほど変色が目立つため
慎重に作業することが大切です。
デニムについたインクを落とす際は
まずインク部分にアルコールを少量当てて
キッチンペーパーでインクを吸い取るように処理します。
その後、中性洗剤を使って優しくもみ洗いしますが
このとき、あまり広範囲に濡らしてしまうと
色落ちのリスクが高まるため注意が必要です。
焦らず、少しずつ作業することで
デニムの風合いを守りながら
インクを薄めることができます。
白い服の色移りを防ぐコツ
白い服にインクが付いた場合
非常に目立つため焦ってしまいやすいですが
まずは冷静に
「これ以上広げないこと」
を最優先に考えましょう。
白い布は色が濃いものより汚れが目立ちやすい反面
漂白剤（酸素系）と相性がいい場合が多く
適切に処理すれば改善できる可能性があります。
ただし、塩素系漂白剤は素材を痛めたり
黄ばみの原因になることがあるため
避けるほうが安心です。
まずはインクをキッチンペーパーで吸い取り
可能な限り移動を防ぎます。
その後、中性洗剤を使って優しくもみ洗いし
汚れが薄くなってきたら酸素系漂白剤を薄めて
部分的に浸け置きする方法が有効です。
白い衣類は正しく処理すれば
元に近い状態に戻りやすいので
焦らず丁寧に対応することが大切です。
洗剤や道具の選び方
インク汚れを落とす際に使う洗剤や道具は
素材やインクの種類によって最適なものが変わります。
まず、一般的に使えるのは中性洗剤で
衣類を傷めにくく、安心して使える点がメリットです。
スポンジや歯ブラシを使う場合は
こすりすぎに注意することがポイントで
繊維を傷つけないように
ソフトタイプを選ぶといいでしょう。
アルコール系の製品を使う場合は
無水エタノールや消毒用アルコールが適していますが
素材によっては色落ちの可能性があるため
テストしてから使用するのがおすすめです。
漂白剤を使う場合は必ず「酸素系」を選び
塩素系は避けることで
衣類に余計なダメージを与えずに済みます。
また、バケツや小さな容器を用意して
部分的に汚れを浸す作業を行うと
効率的に汚れが落としやすくなります。
道具や洗剤を正しく使い分けることで
汚れをできるだけ目立たなくすることができ
衣類を長く大切に使い続けることができます。
洗濯機についたインク汚れの掃除方法
洗濯槽のインク汚れの見つけ方
洗濯機にインクが付いてしまった場合
まず目視で確認することが大切です。
特に洗濯槽の底や側面、
衣類をかき混ぜるパルセーター周辺は
インクが付着しやすい部分です。
電気をつけて洗濯槽の中をしっかり見渡すと
黒い点や筋のような汚れが見えることがあります。
また、濡れている状態では
分かりにくいことがあるため
少し乾かしてから確認すると
汚れが見えやすくなる場合もあります。
さらに、洗濯槽の縁やゴムパッキンの部分も
チェックしておくと安心です。
インクが残っている状態で次に洗濯すると
衣類に色移りしてしまう可能性があるため
見落としがないよう丁寧に確認しておきましょう。
家庭用洗剤を使ったかんたん掃除手順
洗濯槽についたインク汚れは
家庭用の中性洗剤でもある程度落とすことができます。
まず、汚れの部分に中性洗剤を原液のまま少量つけ
柔らかいスポンジで優しくなじませます。
このとき、力を入れすぎると洗濯槽の
コーティングを傷つけてしまう可能性があるため
あくまで軽いタッチで作業することがポイントです。
しばらく放置したあと、ぬるま湯を少量使って
スポンジで洗い流すようにこすると
インクが浮きやすくなります。
もし汚れが落ちにくい場合には
洗濯機専用の酸素系洗剤を使って
槽洗浄モードを実行すると
細かい部分に残った汚れを取りやすくなります。
槽洗浄を行うことで、見えない細部の汚れも
まとめてケアできるため
色移りを防ぐ効果が期待できます。
汚れが落ちたように見えても、念のため
もう一度軽くすすぎ運転を行うとより安心です。
ドラム式・縦型での違い
洗濯機にはドラム式と縦型の2種類がありますが
インク汚れの掃除方法に少し違いがあります。
縦型の場合は水をためて洗浄するため
槽洗浄モードを使うと洗浄液が全体に行き渡りやすく
汚れを比較的落としやすい特徴があります。
底や羽部分も見やすいため
目視でのチェックがしやすい点もメリットです。
一方、ドラム式は構造が複雑で
槽が横向きに配置されており
内部が見えづらい場合があります。
また、水をためる量が少ないため
槽洗浄モードで汚れが落ちるかどうかは
機種によって差があります。
そのため、ドラムの内側に手を入れて
インクが残っていないか
丁寧に触って確認することが大切です。
ゴムパッキン部分は特にインクが残りやすいため
忘れずにチェックしてください。
すすぎ・空回しの確認方法
洗濯槽を掃除したあとに必ず行いたいのが
「すすぎ」と「空回し」です。
これは、洗剤やインクの残りがないか
確認するための重要なステップです。
まず、洗剤を入れずに水だけで運転し軽く回してみます。
もし槽の水にインクの色が薄く出るようであれば
まだ内部に汚れが残っている可能性があるため
続けてもう1回掃除が必要です。
すすぎ工程が終わったら、乾燥を早めるために
蓋を開けて槽の内部を完全に乾かします。
乾くとインクが残っている部分が
浮き出てくることがあるため
目視で最後のチェックをします。
問題がなければ、通常どおり洗濯を再開しても安心です。
乾燥機付き洗濯機の場合の対処
乾燥機付きの洗濯機（いわゆる「洗濯乾燥機」）の場合
乾燥フィルターや排気部分にも
インクが付いてしまうことがあります。
まずは乾燥フィルターを取り外して
洗剤で丁寧に洗います。
乾燥機の内部にインクが残っていると
乾燥時の熱で汚れが変質して
落ちにくくなってしまうため
念入りに確認しましょう。
乾燥ダクトの部分は一般の家庭では
開けられないことが多いため
無理に掃除しようとするのは避け
あくまで触れる部分だけを丁寧にケアします。
インクが飛び散っていなければ
そのまま乾燥機を使用しても問題ありません。
汚れが取れたあとの確認ポイント
洗濯槽の掃除が終わったあと
もう一度洗濯機の内部をしっかり確認しましょう。
光量を増やして見てみると
うっすらとインクが見えることもあります。
洗剤が残っていると皮脂汚れと混ざって
別の汚れに変化することもあるため
気になる場合は再度軽く拭き取りをすると安心です。
また、試し洗いとして
タオル1枚を洗ってみる方法もおすすめです。
このとき、タオルにインクが付かなければ
槽内の汚れはほとんど問題ありません。
こうした簡単なチェックをしておくことで
次の洗濯を安心して行うことができます。
ボールペンを洗濯に入れないための予防策
洗濯前チェックを習慣にするコツ
ボールペンを洗濯機に入れてしまう原因の多くは
「急いでいてポケットを確認しないまま洗濯物をカゴに放り込む」
ことにあります。
このミスを減らす一番の方法は
洗濯前チェックを習慣化することです。
習慣づけのポイントは
やることを「脳で覚える」のではなく
「動作とセット」にしてしまうこと。
たとえば、洗濯機のフタのすぐ横に
「ポケットを確認！」と書いたメモを貼るだけでも
視覚的な合図になり、忘れにくくなります。
また、洗濯カゴの上に小物入れを置いておき
ポケットの中身をそこで
一時的に置く習慣を作るのも効果的です。
さらに、洗濯に出す前に
服を裏返す習慣がある人は
裏返す前にポケットを叩いて
中身を確認する動作をセットにしてしまうことで
自然と意識できるようになります。
「スマホ・鍵・ペン・レシート」など
よくポケットに入れがちなものを自分でリストにし
玄関や洗面所など目に入りやすい場所に
貼っておくのもおすすめです。
一度習慣化してしまえば
毎日の確認に時間はほとんどかかりませんし
小さなひと手間で
取り返しのつかないインク汚れを防ぐことができます。
よくある「入れっぱなし」原因
ボールペンがポケットに入ったまま
洗濯されてしまうのは
単なる不注意だけではありません。
人それぞれ、習慣や生活パターンに原因があります。
たとえば、仕事や学校から帰宅した時に
「とりあえずそのまま脱いでしまう」人は
ほぼ確実にポケットへの意識が弱くなります。
また、作業服や制服など
ボールペンを頻繁に使う服ほど
ペンを戻したままにしがちです。
胸ポケット付きのシャツは
特に入れっぱなし率が高いと言われています。
もう一つの原因は
「気づいていたのに後回しにする」ケースです。
帰宅してポケットに何か入っているのは
分かっていても、「あとで出そう」と思って
服をそのまま洗濯カゴに入れた結果
時間がたって忘れてしまうことがあります。
家族と同居している場合は
他の人が洗濯してしまう流れも原因になります。
また、冬場はアウターを脱ぐタイミングと
インナーを脱ぐタイミングが違うため
アウターのポケットに入れていたものがそのまま残り
翌日の洗濯で事故につながることもあります。
こうした「よくあるパターン」を自分で理解するだけで
「自分が注意すべきタイミング」がはっきりし
対策しやすくなります。
ポケットから物を出すクセづけの方法
ポケットの中身を毎日確実に出すためのコツは
「行動の流れに組み込む」ことです。
たとえば帰宅したら、玄関や部屋の入口に
「ポケットの中身を置く専用トレイ」を設置して
服を脱ぐ前に必ずそこに中身を出すようにします。
このとき重要なのは
「服を脱ぐ前にポケットを空にする」
という順序を固定することです。
順番を変えるだけでも
習慣化の成功率が大きく上がります。
また、トレイには
帰宅後によく使うもの（鍵、財布、メモ帳など）を
置くようにしておくと
「ポケットの中身を出さないと必要なものが使えない」
状態になり、自然と手が伸びるようになります。
視覚的な習慣づけも効果的で
トレイの横に簡単なメモを書いた付箋を
貼っておくのもおすすめです。
続けるコツは、行動ができたときに
小さく自分を褒めること。
無意識レベルで
「やったほうが気持ちいい」という感覚が積み重なり
無理なく続けられる習慣になります。
こうした工夫を取り入れるだけで
ボールペンだけでなくレシート、USBメモリ、イヤホンなどの
「うっかり洗濯」をまとめて防ぐことができます。
家族で共有できるチェックルール
家族がいる家庭では
“誰かが忘れて入れっぱなしにしたものを
他の誰かが洗濯してしまう”
パターンが非常に多いものです。
そのため、個人での対策だけでなく
家族全体で共有できるルールを作ることが大切です。
まずは、洗濯機の近くに
「ポケットを空にしてから出すこと」
と書いたメモを貼っておく方法があります。
視覚的に目に入りやすい場所にあるだけで
意識が高まります。
また、洗濯カゴを「ポケット確認済み」と
「未確認」に分ける方法も便利です。
たとえば、
未確認カゴには赤い洗濯ネットを入れておき
確認済みの方には青いネットを入れるなどの工夫をすると
子どもでも直感的に理解しやすくなります。
特に、子どもが制服や体操服を使う家庭では効果抜群です。
さらに、週に1回だけでも
家族で持ち物チェックを確認する習慣を作ると
自然と意識が高まり、ミスが激減します。
家庭内でルールを共有することで
「誰かがミスして他の人の服に迷惑がかかる」
といったストレスを防ぐことにもつながります。
ボールペンのしまい方・持ち歩き方の工夫
ボールペンを
ポケットに入れっぱなしにしないための
最大のポイントは
「ポケットに入れる必要がない状態を作る」
ことです。
最も簡単なのは、ペンケースを使うこと。
シンプルなものでも十分で
バッグにひとつ入れておくだけで
ボールペンをポケットに入れる頻度を大きく減らせます。
特に仕事でボールペンをよく使う人は
服ではなくバッグに戻す習慣をつけるだけで
洗濯事故のリスクが大幅に減ります。
胸ポケットに挟むタイプの使い方も注意が必要です。
使い終わったあとに戻し忘れやすく
服を脱ぐときに気づかずそのまま洗濯カゴへ…
というのがよくあるパターンです。
クリップで挟んで使いたい場合は
挟むのは「その場だけ」と決め
作業が終わったら必ずペンケースへ戻すようにします。
また、壊れかけのボールペンは
インク漏れを起こしやすく、洗濯事故の原因になります。
キャップが緩くなっていたり
本体にヒビが入っているものは
早めに処分することが安全です。
ボールペンの管理と持ち歩き方を見直すだけで
インク汚れのトラブルは大幅に減らすことができます。
ボールペンインクが落ちにくい理由
油性・水性インクのちがい
ボールペンのインクが落ちにくい理由を
理解するためには
まず「油性」と「水性」の違いを知ることが大切です。
油性インクは名前の通り油がベースになっていて
水に溶けにくい特徴があります。
洗濯では主に水が使われるため
水に溶けない油性インクは繊維に残りやすく
一度乾いてしまうとさらに落ちにくくなります。
一方、水性インクは水に溶けやすいので
油性よりは落としやすいのですが
実際には紙や布の繊維に染み込んでしまいやすいため
水につけただけで簡単にすべてが消えるわけではありません。
また、ゲルインクは水性と油性の中間のような存在で
発色が強いぶん染み込みやすく
洗濯では意外と手ごわい汚れになります。
特に、最近のボールペンには
「速乾性インク」が多く使われています。
速乾性というのは、つまり乾くのが早いということ。
気づくのが遅れて乾いてしまうと
インクが繊維の奥まで固着してしまい
分解するのに時間がかかります。
インクの種類によって落ちやすさが変わるので
汚れを見つけたときは
「これは油性か水性か」を判断して対処すると
落ちやすくなります。
インクが繊維に残りやすい仕組み
インクが洗濯ではなかなか落ちない最大の理由は
繊維の奥にまで入り込んでしまうからです。
特に布の繊維は
細い糸が何本も重なり合ってできているため
細かい隙間がたくさんあります。
インクは液体であるため
その隙間にスッと吸い込まれるように入り込みます。
これはティッシュが水を吸うのと同じ原理です。
表面だけの汚れなら洗濯でも落とせますが
奥まで入り込んだ汚れは水だけでは分解できず
洗剤を使っても落ちきらないことがあります。
また、衣類の素材によっても残りやすさは変わります。
綿は吸水性が高く、インクが染み込みやすいため
残りやすい傾向があります。
ポリエステルは水を吸いにくいので
比較的落ちやすいと言われていますが
表面がツルツルしているぶん
インクが広がりやすいというデメリットもあります。
これらの要素が組み合わさることで
同じインクでも落ちやすい場合と
落ちにくい場合が分かれるのです。
乾燥すると落としにくくなる理由
インク汚れは「濡れている状態」なら落としやすく
「乾くと落ちにくくなる」という特徴があります。
理由は、インクの成分が乾燥によって固まるからです。
乾燥すると
インクに含まれる色素や樹脂が繊維の奥で固まり
まるで接着剤のように衣類に密着します。
その状態になると
水や一般的な洗剤では色が動かず
落とすのが非常に困難になります。
特に注意したいのは、乾燥機の使用です。
洗濯に気づかずそのまま乾燥機にかけてしまうと
熱によってインクがさらに強く繊維に定着し
ほぼ落ちなくなってしまうことがあります。
そのため、洗濯後に「インクが付いてるかも？」と
思った時点で必ず乾燥を止め
濡れた状態のうちに処置することが大切です。
インクが洗濯槽に付着する仕組み
衣類だけでなく洗濯機の内部にインクが付着することもあります。
これは、洗濯中にボールペンが壊れたり
キャップが外れたりして、インクが水に溶け出し
洗濯槽全体に広がってしまうためです。
特に油性インクは水をはじく性質があるため
洗濯槽のプラスチック部分やゴムパッキンに
膜のように張り付きます。
これがうっすらと色移りした状態として残り
次の洗濯物に付着してしまうことすらあります。
ドラム式の場合は構造上
パッキン部分にインクが残りやすい傾向があります。
縦型洗濯機では底面や側面に残ることが多いです。
インク汚れを見つけたら
早めに拭き取るだけで落ちる場合もあります。
でも、時間がたつと染み込んで落ちにくくなるため
気づいた時点で掃除するのがポイントです。
落ちる汚れ・落ちない汚れの見分け方
インク汚れには
「落ちるもの」と「落ちないもの」があります。
見分けるポイントはいくつかあります。
まず、汚れの広がり具合です。
にじみが少なく細い線のような汚れは
比較的落ちやすいですが
大きく広がってシミになっているものは
落ちにくい傾向があります。
また、触ってみて
べたつきを感じるものや強い発色のものは
油性やゲル系インクである可能性が高く
手強い汚れになります。
逆に、うっすらした汚れや
こすったら少し色が動くような柔らかい汚れは
水性インクの可能性があり
家庭の洗剤でも落とせることが多いです。
ただし、どんな汚れでも
“乾いてから何時間も経っている”場合は
落ちにくくなります。
汚れを見つけたタイミングや
服の素材、インクの種類によって対応は変わるため
まずは落ちやすさを見極めるのが大事です。
まとめ
ボールペンを洗濯してしまうと
焦ってしまいがちですが、大切なのは
「乾く前に気づくこと」
「まず広げないこと」
「落ちる可能性のある部分から慎重に対処すること」
です。
インク汚れは素材やインクの種類によって
落ちやすさが違うため
焦らず丁寧にケアするのが一番の近道です。
また、洗濯槽の確認や掃除も忘れずに行うことで
二次被害を避けることができます。
最後に、ポケット確認の習慣をつけておくことで
同じ失敗を繰り返さない工夫も大切です。
