春の風物詩、たけのこ。煮物や炊き込みご飯、さらにはチンジャオロースも絶品です。
新鮮なたけのこはそのまま食べるのが一番美味しいですが、大きくて一度に食べきれないことも多いですよね。そんな時は冷凍保存が便利ですが、たけのこは水分が多いため、適切に冷凍しないと解凍時に水分が抜けてスカスカになってしまうことがあります。
でも、スカスカになってしまったからと言って食べられないわけではありません。
この記事では、たけのこの
- 冷凍すると味が落ちる理由
- アク抜きの方法
- 冷凍保存の方法
- 解凍の方法
- スカスカになった場合でも美味しく食べるコツ
について解説しています。
適切な冷凍保存と解凍方法を知って、たけのこの美味しさを最大限に引き出しましょう。たけのこを美味しく食べたい方はぜひ参考にしてくださいね。
たけのこを冷凍すると味が落ちる理由
たけのこを冷凍すると、解凍時に水分が抜けてスカスカになるのが主な原因です。
冷凍するとたけのこの細胞内の水分が氷の結晶となり膨張するため細胞壁が壊れます。その状態で解凍すると、壊れた細胞壁から水分が抜け出してしまいスカスカのたけのこになってしまうのです。また、冷凍時に空気に触れることで酸化や劣化が進み、冷凍焼けや他の食材のにおいが移ることもありますので、保存時には注意が必要です。
しかし、適切な下準備と冷凍方法を使えば、スカスカにならずにたけのこを美味しく保つことができます。
たけのこのアク抜きの方法
たけのこは時間が経つとアクやえぐみが強くなるので、できれば当日にアク抜きするのがベストです。ここでは、米ぬかと赤唐辛子、そして重曹を使った2つの方法を紹介します。
米ぬかと赤唐辛子を使った方法
米ぬかはたけのこのアクやえぐみを取り除き、赤唐辛子は米ぬかのにおいを抑えます。
用意するもの
- 鍋
- 水
- 米ぬか:1カップ
- 赤唐辛子:1本
米ぬかは米のとぎ汁や生米ひとつかみで代用できますが、無洗米は使えません。
アク抜き手順
- たけのこは皮つきのまま(泥や汚れが気になる場合は外側の皮を2~3枚剥いて)重ならないよう鍋に入れ、米ぬかと赤唐辛子、水を加え強火にかけます。
- 沸騰したら吹きこぼれない程度に火を弱め、落し蓋をして茹でます。白いアクが出たらすくって捨てましょう。
- たけのこの大きさに応じて、煮る時間を調整します(1本あたり300〜400gなら約1時間半、500〜750gなら約2時間、1kg以上なら約3時間)。途中でお湯が少なくなったら足して、たけのこがお湯から出ないようにしてくださいね。
- 目安の時間を煮た後は、根元に竹串を刺してスッと通ったら火を止め、そのまま鍋の中で冷まします。硬いようであればさらに15分~30分茹でて様子を見ましょう。
- 完全に冷めたら米ぬかを洗い流し、皮を剥いてさらに水で洗います。
重曹を使ったアク抜き方法
用意するもの
- 鍋
- 水
- 重曹(食品用):水1Lに対し小さじ1
アク抜き手順
- たけのこの先端を斜めにカットし、皮を2〜3枚剥いて縦に切り込みを入れます。
- 鍋にたけのこを入れ、たけのこがしっかり浸かるまで計量しながら水を加えます。水の量に合わせた重曹を入れて強火にかけます。
- 沸騰したら吹きこぼれない程度に火を弱め、落し蓋をして30分~40分茹でます。
- 根元に竹串を刺してスッと通るようになったら火を止め、冷まします。硬いようであればさらに10分ほど茹でて様子を見ましょう。
- 冷めたら水洗いして皮を剝きます。
たけのこがスカスカにならない冷凍保存方法
たけのこを美味しく冷凍するためには、アク抜き後の処理が重要です。切り方や一工夫で、スカスカな食感を防ぐことができます。
繊維を断つように切る
たけのこの繊維を断つように切ることで、解凍後もスカスカな食感を防げます。先の柔らかい部分は数センチ程度にカットしても問題ありませんが、根元の部分は5mm以下の薄切りや千切りにしましょう。煮物や炊き込みご飯など、料理が決まっている場合も小さめに切ることを意識してくださいね。
砂糖を振りかけて冷凍する
カットしたたけのこに砂糖を振りかけると、冷凍しても水分が抜けにくくなります。たけのこの全体に砂糖をまんべんなく振りかけてください。ラップでぴったりと包んだらフリーザーバッグに平らに入れて冷凍しましょう。食べる際には砂糖の甘さはほとんど感じられないのでそのまま使うことができますが、気になる場合は使用前にさっと水で流すと良いですよ。
水やだし汁と一緒に冷凍する
たけのこを水と一緒に冷凍することで、スカスカな食感を防ぐことができます。料理が決まっているなら、だし汁で冷凍するとさらに便利です。冷ましただし汁をたけのこが浸る程度にフリーザーバッグに入れ、平らにして冷凍しましょう。
調理してから冷凍する
たけのこを煮たり炒めたりして味付けしてから冷凍すると、砂糖を振りかける方法と同様に水分を保持できます。煮物の場合は、煮汁ごと冷凍すると良いです。調理済みのたけのこは味がしみ込みやすく、解凍後も美味しくいただけます。
冷凍したたけのこの保存期間
冷凍したたけのこの保存期間は約1ヶ月です。長期間保存すると味が落ちるため、早めに使い切るようにしましょう。
たけのこの解凍方法とコツ
冷凍したたけのこを使用する際の解凍方法を3つ紹介します。
凍ったまま使う
凍ったまま調理すると、解凍時間が不要で水分が飛びにくくなります。煮込み料理やスープに最適ですが、炒め物には向きません。
自然解凍する
自然解凍する場合は、冷蔵庫でゆっくり解凍するのがおすすめです。翌日使用する場合は、前日の夜から冷蔵庫に移しておくと良いですよ。
電子レンジで解凍する
電子レンジで解凍する場合は、低出力(100W~200W)を使用します。時間は電子レンジの種類やたけのこの大きさによって異なるため、様子を見ながら解凍してください。
美味しいたけのこの選び方
美味しいたけのこを選ぶには、以下のポイントに注意しましょう。
- 皮の色と触り心地: 皮が濃い茶色や黒っぽいものは避け、薄茶色のものを選びましょう。皮がしっとりしていて、乾燥していないものが良いです。
- 太さ: 細いものより、太くて短いたけのこが美味しいです。
- 根本の丸い点々: 根本にあるザラザラした丸い点々が赤くなく、少ないものを選びましょう。
スカスカのたけのこを美味しく食べるには?
冷凍に失敗してスカスカになってしまったたけのこも、工夫すれば美味しくいただけます。スカスカのたけのこを美味しく食べるためのポイントは以下の通りです。
- たけのこをメインにしない: 具材として使うことで食感が気になりにくくなります。
- 小さく(薄く)切る: 小さく切ることで、食感が気になりにくくなります。
- 濃いめの味付けにする: 味がしっかりしていると、スカスカ感が気になりにくくなります。
おすすめ料理
- 春巻き: たけのこを豚肉や春雨、ニラと一緒に味付けし、春巻きの具材にします。パリッと揚げた春巻きの皮と旨味たっぷりの具材の組み合わせは絶品です。
- 炊き込みご飯: 細かく切ったたけのこ、油揚げ、鶏肉、にんじん等を炊飯器に入れ、醤油やみりん、だしを加えてご飯と一緒に炊飯します。
- チンジャオロース: 細切りにしたたけのこをピーマンや肉と一緒にオイスターソースで炒めます。ご飯にのせてどんぶりにするのも美味しいです。
まとめ
たけのこは春の旬の食材として人気ですが、冷凍保存には注意が必要です。生のまま冷凍すると、水分が抜けてスカスカになってしまいます。これは、冷凍によりたけのこの細胞壁が壊れるためです。また、冷凍焼けや臭い移りといったデメリットもあります。
たけのこを冷凍する際は以下の方法を試してください。
- しっかりアク抜きする
- 薄くカットする
- 砂糖を全体にまぶす
- 水やだし汁と一緒に冷凍する
- 調理してから冷凍する
これにより、中の水分が逃げず、冷凍してもスカスカになりません。カットや調理をしてから冷凍することで、解凍後の手間が省け、美味しくたけのこを食べることができます。
冷凍に失敗したたけのこも、具材として使い、小さく切り、濃いめの味付けにすることで美味しくいただけます。たけのこ好きの方はぜひ参考にしてみてください。