お気に入りの服に限って、なぜか油染みがついてしまう…。
そんな経験はありませんか？
揚げ物の油はねや外食時のうっかりで
気づいたときには大きなシミになってしまうこともあります。
そこで今回は
「服の油染みを食器用洗剤で落とす正しい方法」と
「色落ちを防ぐためのポイント」、
「家庭でできる裏ワザや予防法」を
まとめました。
簡単な手順なので、読んだその日から実践できますよ。
食器用洗剤を使った油染みの落とし方
準備するものと使う洗剤の種類
油染みを落とすために
用意しておきたい基本的なアイテムは、
- 食器用洗剤
- 歯ブラシや綿棒
- タオル
- 水またはぬるま湯
- 普段使っている洗濯洗剤
です。
特に重要なのは食器用洗剤の選び方です。
できれば中性で香料や着色料が少ない
シンプルなタイプがおすすめです。
油汚れ専用と書かれた高洗浄力タイプもありますが
その分だけ衣類の色落ちリスクが
高くなることがあります。
色柄物やデリケートな素材を扱う場合は
まず目立たない部分で試してから使いましょう。
準備段階で「すぐに試せる」環境を整えておくと
油染みが広がったり生地に深く浸透する前に
対応できるので成功率が上がります。
洗濯前にするべき下処理の手順
まずは
ティッシュや乾いたタオルで
染みた部分を軽く押さえて余分な油を吸い取ります。
ここでゴシゴシこすると繊維の奥に油が入り込み
かえって落としにくくなるので注意が必要です。
その後、
油染み部分に直接食器用洗剤を数滴たらし
指の腹や歯ブラシでやさしく馴染ませます。
強くこすらず「トントン」と叩くように
染み込ませるのがポイントです。
次に、
ぬるま湯を少量かけて泡立てながら汚れを浮かせ
乾いたタオルで水分と一緒に拭き取ります。
ここまでを行ってから
普段通りに洗濯機に入れて洗うことで
油染みはかなりの確率で目立たなくなります。
色柄物の服で注意すべきポイント
色柄のある服は
食器用洗剤の強い界面活性剤によって
色が抜けたりにじむことがあります。
特に赤や青、濃いデニムなどは要注意です。
そのため、
まず裏側や裾の目立たない部分に食器用洗剤をつけて
水で軽くすすぎ、色が落ちないか確認しましょう。
テストで色が落ちるようなら無理に食器用洗剤を使わず
後述する「クレンジングオイル」や「ベンジン」など
別の方法に切り替えるのがおすすめです。
また、色柄物は摩擦に弱いため
歯ブラシを使うときは毛先の柔らかいものを選び
力を入れすぎないように気をつけましょう。
洗濯機で仕上げる際のコツ
下処理が終わったら、そのまま放置せずにすぐに洗濯機へ。
油染みは時間が経つほど酸化して黄色く変色し
完全に落とすのが難しくなります。
洗濯機に入れるときは
普段より少し多めの洗剤を使い
ぬるま湯で洗うと効果的です。
また、柔軟剤を一緒に使うと
油分が繊維に残って落ちにくくなることがあるので
最初は柔軟剤なしで洗うのがベターです。
乾燥機の使用も避け
まずは自然乾燥で仕上がりを確認しましょう。
完全に乾かすと再処理が難しくなるので
もし染みが残っている場合は
軽く乾かしてから再度チャレンジするのがおすすめです。
落ちなかったときの再チャレンジ法
一度の洗濯で落ち切らなかった場合でも
諦める必要はありません。
軽い染み残りなら
再度同じ手順で「部分処理＋洗濯」を繰り返すことで
改善されるケースが多いです。
それでも残る場合は
食器用洗剤に重曹を少し混ぜてペースト状にし
染みに塗って数分置いてから洗うと効果的です。
油が酸化して変色している場合は
市販のシミ抜き専用剤やベンジンを検討するのも手です。
ただし強い溶剤は生地を傷める可能性もあるので
最終手段として使いましょう。
色落ちを防ぐためのポイント
洗剤選びで失敗しないコツ
服の油染みを落とすときに最も注意したいのが
「どんな食器用洗剤を選ぶか」という点です。
食器用洗剤は油汚れを落とすために、
強力な界面活性剤を含んでいますが
その種類や濃度によって衣類への影響が変わります。
たとえば
「強力除菌」「漂白成分入り」「高濃度洗浄」といったタイプは
鍋やフライパンの油はよく落ちますが
その分だけ衣類の色素も一緒に落ちやすくなります。
特に黒や赤、デニムなどの濃色衣類は
ダメージを受けやすいため
こうした強力タイプは避けるのが無難です。
おすすめは
「中性」「無香料・無着色」「透明タイプ」と
書かれているシンプルな洗剤。
これなら生地や色への負担を最小限にしながら油を落とせます。
また、手肌にやさしいタイプは
界面活性剤の濃度が控えめで色落ちリスクも低いので
初めて試す人にも向いています。
テスト洗いをする場所と方法
実際にシミ抜きをする前に
「色落ちテスト」をしておくと安心です。
方法はとても簡単で
服の裾や内側など目立たない場所に
ほんの少量の食器用洗剤をつけて軽く水ですすぎます。
その部分を白いティッシュや布で押さえてみて
色が移っていなければ
基本的に使用しても問題ありません。
逆に色が出る場合は、その洗剤の使用は避けるべきです。
テストのときは時間を置きすぎず
2〜3分以内で確認するのがコツです。
特に初めて扱う素材（シルク・ウールなど）は
必ずテストをしてから処理を始めるようにしましょう。
濃い色やデニムの場合の対策
濃い色の衣類やデニムは、
油染みそのものより
「色落ち」や「白っぽくなる変化」のほうが
目立ちやすいのが特徴です。
この場合は食器用洗剤を直接つけるのではなく
少量を水で薄めてから使うとリスクが減ります。
また、歯ブラシでこすると
摩擦によって色落ちが進むため
柔らかい布や指で優しく叩くように馴染ませるのがベストです。
デニムの場合
部分的に洗うと色ムラになりやすいので
処理したあとに
全体を軽くすすいでから
通常の洗濯に回すと自然な仕上がりになります。
もし心配な場合は
デニム専用のシミ抜き剤を使うか
プロのクリーニングに依頼するのも一つの選択肢です。
水温や浸け置き時間の調整方法
食器用洗剤を使った処理では
「水温」と「時間」も大切なポイントです。
油汚れはぬるま湯（30〜40℃程度）で
溶けやすくなるため
冷水よりもぬるま湯を使うと効果が高まります。
ただし高温すぎると繊維が縮んだり
色素が流れやすくなるため注意しましょう。
また、食器用洗剤をつけて長時間放置するのはNGです。
界面活性剤が生地の色素まで
分解してしまう可能性があるからです。
基本的には5分以内に
軽く揉み洗いしてすすぐのが理想的です。
放置すればするほど色落ちリスクが高まるので
短時間で処理することを意識しましょう。
色落ち防止グッズを使う方法
市販されている「色移り防止シート」や
「色止めスプレー」を活用するのもおすすめです。
特に濃色衣類や新品の服は
最初の数回の洗濯で色落ちしやすいため
こうしたアイテムを併用すると安心感が高まります。
油染みを落としたあとの仕上げ洗濯で
防止シートを入れておけば
他の衣類への色移りも防げます。
また、デニムや黒い服には
「色止め専用洗剤」を使うと
色素を補強しながら洗えるため
長持ちさせたい服には最適です。
これらはドラッグストアや
ネット通販でも手に入りやすいので
油染み対策とあわせて
家庭に常備しておくと心強いでしょう。
服に油染みがついたときの基本知識
油染みはなぜ落ちにくいのか？
油染みが他の汚れよりも厄介とされるのは
油の性質が「水と混ざりにくい」からです。
水は極性を持っていますが、油は非極性。
つまり、水と油は反発し合う性質があり
そのまま水で洗っても
繊維に入り込んだ油を弾いてしまいます。
そのため、ただの水洗いや普通の洗濯洗剤だけでは
十分に落ちないケースが多いのです。
ここで活躍するのが
界面活性剤を含む食器用洗剤で
油を分解して水に馴染ませる働きがあるため
油汚れには非常に効果的なのです。
時間が経つとどう変化する？
油染みは時間が経つほど厄介になります。
付いた直後は液状でまだ柔らかいため
落としやすいのですが、放置すると酸化が進み
黄色や茶色に変色して「酸化シミ」になります。
特にカレーや揚げ物の油は変色が顕著で
数日経つとほとんど落とせなくなることもあります。
さらに、時間が経つと油が繊維に定着し
普通の洗濯機洗いでは取れない
「古いシミ」に変化します。
つまり、油染みを発見したら
できるだけ早く対処することが最も大切です。
スピードが命といえるでしょう。
油染みにNGな応急処置とは
慌ててやってしまいがちな応急処置に
実はNGな方法がいくつかあります。
まず「水でジャブジャブ洗う」こと。
水だけでは油を弾いて広がってしまい
シミが大きくなります。
次に「強くこする」こと。
摩擦で繊維に油を押し込んでしまい
落ちにくくなる上に生地を傷める原因になります。
また、「熱いお湯をかける」のも要注意。
高温は繊維を縮めたり
油を繊維に固定化させる恐れがあります。
油染みを見つけたら
まずは
乾いた布やティッシュで軽く押さえて
余分な油を吸い取り
落ち着いて正しい処理をすることが重要です。
食器用洗剤が油に強い理由
食器用洗剤が油汚れに強いのは
「界面活性剤」という成分のおかげです。
界面活性剤は
水と油を混ぜ合わせる働きを持っています。
具体的には
界面活性剤の分子が「水になじむ部分」と
「油になじむ部分」を同時に持っているため
油を包み込んで
水の中に分散させることができるのです。
これを「乳化」と呼びます。
普段、
食器の油汚れが簡単に落ちるのも
この仕組みのおかげで
衣類に付いた油染みにも同じ原理が働きます。
特に中性洗剤は衣類にやさしく
家庭で手軽に利用できる
優秀なシミ抜きアイテムといえるでしょう。
色落ちのリスクを理解しておこう
ただし、食器用洗剤を衣類に使うときには
必ず「色落ちリスク」が伴うことを
理解しておく必要があります。
食器用洗剤の強い界面活性剤は油だけでなく
衣類の染料をも分解してしまう可能性があるからです。
特に濃い色の衣類や
天然素材（綿・麻・シルクなど）は
色抜けしやすく
処理した部分だけ白っぽくなることがあります。
そのため、
必ず目立たない場所でテストしてから使うこと
そして長時間放置しないことが大切です。
「油染みは落ちたけど、色まで落ちてしまった」
という失敗を避けるためにも
正しい使い方と注意点をしっかり押さえておきましょう。
食器用洗剤以外で試したい油染み対策
クレンジングオイルを使う方法
意外に思われるかもしれませんが
メイク落としに使うクレンジングオイルは
油染みに効果的です。
なぜなら、
クレンジングオイルはファンデーションや口紅など
「油分を多く含む化粧品」を落とすために
作られているからです。
仕組みは食器用洗剤と同じで
油を溶かして浮かせる作用があります。
使い方は簡単で、
シミの部分に少量のクレンジングオイルをなじませ
数分放置したあとにぬるま湯で軽くすすぎます。
その後は普段通りに洗濯すればOKです。
クレンジングオイルは肌用に作られているため
比較的やさしい処方のものが多く
色落ちのリスクも抑えられます。
ただし、オイルタイプでも
「ウォータープルーフ専用」など強力なものは
衣類に負担がかかる場合があるので注意が必要です。
重曹と組み合わせて落とす裏ワザ
重曹は
家庭で使える万能アイテムとして知られていますが
油染みの処理にも役立ちます。
油は酸性の性質を持っているため
弱アルカリ性の重曹が中和しやすいのです。
使い方は、まずシミの部分に少量の水を含ませ
その上に重曹をパラパラと振りかけます。
その上から食器用洗剤や
クレンジングオイルを数滴垂らし
歯ブラシや綿棒でやさしく馴染ませます。
すると泡立ちとともに油が浮き上がりやすくなります。
最後にぬるま湯で軽く流し
洗濯機で通常洗いをすればOKです。
重曹は消臭効果もあるため
油の嫌なにおいが残りにくいのも嬉しいポイントです。
ただし、ウールやシルクのような
デリケート素材はアルカリに弱いため
この方法は避けたほうが無難です。
ベンジンや専用シミ抜き剤の使い方
古い油染みや
食器用洗剤・クレンジングオイルでは
落ちなかった頑固な汚れには
ベンジンや市販のシミ抜き剤が有効です。
ベンジンは石油系の溶剤で
油分を溶かして蒸発させる力があります。
使い方は、染みの下に白い布やタオルを敷き
綿棒にベンジンを含ませて
シミを外側から内側に向かって叩くように処理します。
溶け出した油は下の布に移る仕組みです。
その後、自然乾燥させてから通常の洗濯を行います。
ただし、ベンジンは引火性が高く
換気の悪い場所では危険なので
必ず風通しの良い場所で使用してください。
また、素材によっては繊維を傷めることもあるので
最初は小さな部分で試すのが安心です。
家にある意外なアイテムでの対処法
実は、家庭にある意外なアイテムでも
油染みを落とすことができます。
例えば「ベビーパウダー」や「片栗粉」。
粉末が油を吸着する性質を利用し
シミの部分にふりかけて数時間置いてから
ブラシで払い落とすと、油分がかなり減ります。
その後で洗濯をすると仕上がりがきれいになります。
また「アルコールスプレー」も軽い油染みに効果的です。
少量を吹きかけて布で押さえることで
油を浮かせやすくなります。
ただし、アルコールは色落ちのリスクがあるため
必ずテストしてから使いましょう。
こうしたアイテムは特別に買わなくても
家にある場合が多いので、応急処置としても役立ちます。
プロのクリーニングに任せる判断基準
最後に、家庭で落とせない場合は
無理せずクリーニングに出すのが最も確実です。
特に以下のようなケースではプロに任せるのがおすすめです。
-
高価なブランド品やスーツ
-
シルク・カシミヤ・ウールなどデリケート素材
-
白い服に古い油染みが残っている
-
広範囲にわたって汚れている
クリーニング店では
衣類に応じた専用の溶剤や処理方法を使って
シミ抜きをしてくれるため
家庭で無理に試して
色落ちや生地ダメージを起こすリスクがありません。
「絶対に失敗したくない服」や
「思い入れのある服」は
迷わずプロに相談するのがベストです。
油染みを予防する日常の工夫
調理中にできる汚れ防止の工夫
台所での料理中は
油跳ねによるシミの原因が最も多いシーンです。
揚げ物や炒め物をするときは
エプロンを着けるのが一番簡単で効果的な対策です。
特に胸元まで覆えるタイプや
撥水加工のあるエプロンは
油汚れをはじいてくれるので安心です。
また、調理中は換気扇をしっかり回し
油煙が服に付着するのを防ぐことも大切です。
さらに、揚げ物をする際には
油はね防止ネットを鍋にかぶせるだけで
服や床に飛び散る油の量を大きく減らせます。
調理後すぐに服を洗濯機に入れる習慣をつければ
汚れが定着するのを防ぎやすくなります。
外食や作業時に役立つアイテム
外食や作業時にうっかり油が服につくこともよくあります。
そんなときに役立つのが
コンパクトな「携帯用シミ抜きペン」や
「ウェットティッシュ」です。
外食で服にシミがついた場合
すぐにウェットティッシュで押さえて
油分を吸い取るだけでも
あとからのシミ抜きが格段に楽になります。
また、作業現場やBBQなど油を扱うシーンでは
安価な作業用エプロンや上着を
一枚羽織っておくだけで、普段着を守ることができます。
日常的に小物を持ち歩いたり
シーンに合わせた服装を選ぶことが
油染み予防につながります。
シミがついたときにすぐできる応急処置
油染みは「ついた直後の対応」が仕上がりを左右します。
もし外出先で服に油がついたら
まずは乾いたナプキンやハンカチで軽く押さえて
余分な油を吸い取りましょう。
このとき決してこすらないことが大切です。
可能であればベビーパウダーや片栗粉を少量かけて
油を吸わせるのも有効です。
その後帰宅したら
できるだけ早く洗剤で下処理をして洗濯にかけます。
応急処置をしておくと
時間が経っても油が繊維に深く染み込まず
汚れを落とすのがずっと楽になりますよ。
素材ごとのお手入れの違い
油染みの予防や処理は
服の素材によっても適切な方法が異なります。
たとえば綿やポリエステルは比較的丈夫なので
食器用洗剤や重曹での処理に向いています。
一方で、
シルクやウールなどデリケートな素材は
水や洗剤に弱く、家庭での処理はリスクが大きいです。
そのため、デリケート素材を着るときは
事前に撥水スプレーをしておくと
油を弾きやすくなります。
麻素材は乾きやすいですがシワになりやすいため
処理後は早めにアイロンをかけて整えると良いでしょう。
素材ごとの特徴を理解しておくと
予防の工夫もしやすくなります。
長持ちさせるための洗濯習慣
日常的にできる油染み予防の仕上げは
「洗濯習慣」にあります。
汚れがついた服を長時間放置すると
汗や皮脂と混ざって油汚れが定着してしまいます。
そのため、できるだけ着用後すぐに
洗濯機に入れることを心がけましょう。
また、柔軟剤を使いすぎると
繊維に油分の膜が残りやすく
かえって油汚れが付きやすくなることがあります。
週に一度は柔軟剤を使わない
「リセット洗い」をしてみてください。
服がすっきり保てます。
さらに、定期的に
撥水スプレーや防汚加工スプレーを使っておけば
普段から油がつきにくくなり
お気に入りの服を長く愛用することができます。
まとめ
服についた油染みは放っておくと落ちにくく
酸化による変色や色落ちの原因にもなります。
しかし、食器用洗剤をはじめとした
身近なアイテムを正しく使えば
自宅でもかなりきれいに処理することができます。
大切なのは「できるだけ早く対処すること」と
「色落ちリスクを理解して工夫すること」です。
さらに、調理中の工夫や応急処置
洗濯習慣を見直すことで
そもそも油染みを作らない工夫も可能になります。
普段から意識しておけば
お気に入りの服を長く楽しむことができますよ。
