フランス発のカラフルでかわいいお菓子、マカロン。カラフルな見た目に加えて、サクサクの食感が魅力で、お茶の時間やギフトに最適です。
手作りマカロンに挑戦する時、焼く前には生地をしっかり乾燥させる必要がありますが、このステップはどうして重要なのでしょう？そして、どんな方法で乾燥させるといいのでしょうか。この記事では、マカロンを上手に乾燥させる方法と気をつけたいポイントをわかりやすく説明します。
マカロン生地の上手な乾燥方法とその時間
マカロン生地をうまく乾燥させる方法はいくつかあります。自然に任せる方法、オーブンを使う方法、さらにはドライヤーや扇風機を活用する方法など、状況や好みに応じて選べますが、それぞれ温度管理や乾燥時間が重要です。
ここでは、マカロン生地の乾燥のコツと時間について説明します。
自然に乾燥させる方法
一番簡単な自然乾燥は、何も機械を使わずに生地を絞り出したトレイを風通しの良い場所に置くだけです。ただし、この方法は天気や季節に左右されやすいのが欠点です。
≪乾燥時間の目安≫
晴れた日は約1～1.5時間で乾燥しますが、雨の日や湿度が高い時は一晩かかることも。湿気が多い場合は、エアコンや除湿機を利用すると良いですよ。
オーブンを使って乾燥させる方法
オーブンを使えば、自然乾燥より速く、均一に乾かすことができます。オーブンを設定できる最低温度（100℃程度）で予熱後、電源を切ってから生地を入れます。ただし、オーブン内が熱すぎると生地が焦げる原因になるため、注意が必要です。庫内の温度が100℃以上の場合には扉をあけて少し温度を下げてから生地を入れましょう。
≪乾燥時間の目安≫
おおよそ20分ですが、生地の状態に応じて加減してください。
ドライヤーと扇風機を使って乾燥させる方法
時間がないときに便利なのが、ドライヤーや扇風機を使う方法です。特にドライヤーを使う場合は冷風で、生地が均等に乾くように注意してください。扇風機も同様に、風が生地全体に当たるように設定しましょう。
≪乾燥時間の目安≫
ドライヤーや扇風機なら約10〜15分で乾きますが、乾燥具合を見て調整が必要です。乾かしすぎると生地が硬くなり、焼き上がりに影響します。
生地が適切に乾燥しているかは、触って確かめることが大切です。手触りで生地がしっかりと乾いているかをチェックし、指紋がつかない程度になるまで乾燥させましょう。
なぜマカロンの生地を乾燥させるの？
マカロンは、卵白と砂糖のメレンゲにアーモンドプードルと粉糖を混ぜ合わせた生地を使って作られます。この生地を天板に絞り出してから、焼く前に一度乾燥させる必要があります。
この乾燥工程はマカロンの仕上がりにとってとても大切で、見た目と食感に大きく影響します。乾燥させる理由は主に以下の二つです。
表面のひび割れを防ぐため
マカロンの生地を乾燥させると、表面に薄い皮膜ができます。この皮膜が焼き時の生地の内部の空気の膨張を受け止め、表面がひび割れるのを防ぎます。
乾燥させずにそのまま焼くと、表面がひび割れてしまい、美しく均一に膨らまないマカロンができてしまいます。美しいマカロンは滑らかで均一に膨らんでいるものが理想ですので、この乾燥工程はとても重要です。
美しいピエを形成するため
ピエとは、マカロンが焼かれたときに生じる底部のレース状の膨らみを指します。これは乾燥によって表面に形成された膜が、生地が上に膨らむのを制限し、横に広がることで形成されます。
ピエはマカロンの象徴的な特徴で、その軽やかな食感はマカロンの味わいに大きく寄与します。ピエがしっかりと出ることで、マカロンは見た目の美しさだけでなく、食感や風味もより豊かになります。
マカロンの生地がうまく乾燥しないときの原因と対処法
マカロンの生地が上手く乾燥しないことはよくありますね。ここでは、乾燥しない原因とその解決策をご紹介します。
水分が多すぎる
マカロン生地の卵白や色素には水分が含まれています。これらが多すぎると、生地が乾きにくくなることがあります。特に色素を多く使うと、少量の水分でも乾燥に影響が出ることがあります。
≪対策≫
レシピ通りの分量を守り、余計な水分を加えないようにすることが大切です。卵白は使用前に常温に戻しておき、色素は液体よりもパウダー型を選ぶと良いでしょう。
メレンゲが十分に泡立っていない
マカロン生地のメレンゲがしっかりと泡立っていないと、生地が緩くなり乾燥しにくくなります。器具に残った油分や卵白の温度が原因で泡立ちにくいことがあります。
≪対策≫
使用するボウルや泡立て器は油分をしっかりと洗い落としてから使い、卵白は冷蔵庫から出して常温に戻してから使います。砂糖は少しずつ加えながら、初めはゆっくり、次第に速度を上げてしっかりと泡立てましょう。完成したメレンゲはツヤがあり、ボウルを逆さまにしても落ちない固さです。
過剰なマカロナージュ
マカロナージュはメレンゲと粉を混ぜる工程で、このときに過剰に混ぜすぎると生地が液状になり、乾燥が困難になります。
≪対策≫
混ぜる際は、生地がリボン状に落ちる程度で止めるのがコツです。混ぜすぎず、かつ均一に気泡をなじませることで、表面がきれいなマカロンが焼けます。
まとめ
マカロンを作る際には、焼く前に生地を乾燥させるステップが必要です。この乾燥工程は、マカロンの表面に膜を形成し、ひび割れを防ぎます。また、ピエというレース状の膨らみを生地の下部に作り出す役割も持っています。
マカロン生地を乾燥させる方法として主に次の3つがあります：
- 自然乾燥
- オーブン使用
- ドライヤーと扇風機の活用
これらの方法では、適切な温度と時間の管理が重要です。
さらに、マカロンの生地が上手く乾燥しないこともあります。その主な原因は以下の通りです：
- 生地に含まれる水分が多すぎる
- メレンゲが十分に泡立てられていない
- マカロナージュ（生地を混ぜる工程）を過剰に行ってしまう
マカロンは非常に繊細なお菓子なので、正確なレシピの分量と工程の順守が成功の鍵です。これからマカロン作りを始める方は、これらのポイントを参考にしてください。
